「正解のない時代」越境学習・他流試合で個人とチームのEQを高める(後編)

主催:立命館東京キャンパス 共催:ジャパンラーニング株式会社
協力:群馬県嬬恋村
「チェンジ・メイカー育成プログラム第5期 in群馬県嬬恋村」修了!

真剣モードでぶつかり合うからこそ、生まれるもの
10月6日にキックオフした「チェンジ・メイカー育成プログラム(第5期)」は、そのゴールであり最大のクライマックスとなる成果報告会に先立って中間報告会が行われました。

嬬恋村が重要だと考えるテーマ「生活(ライフスタイル)」「産業(ニュービジネス)」「教育(ウェルビーイング)」「観光(ツーリズム)」に分かれた4チームが各10分間で所定の仮説検証シートに沿って、①これまでに確認した事実/ ②最も重要だと考える事実/ ③課題/ ④追及するイシュー/ ⑤対応策の方向性、想定される方策/ について説明。嬬恋村からご参加頂いた村役場や地域おこし協力隊の皆さんからは、成果報告会に向けて、各案をより良く実効性の高いものとするため忌憚(きたん)のないフィードバックを受けます。ある方からは以下のようなコメントがありました。

“今日の発表の中で「実装」という言葉が出てこなかったのが少し残念でした。 嬬恋村に限らず、どの地方でもそうだと思うのですが「やる人間を評価する」というのがあります。 地方もアイデアはそれなりには持っているのです。 問題は人手がいないことと、達成のやり方がわからないという2点と思っています。 本番では、「私たちがこういうやり方でこのアイデアを達成します!」というプレゼンに期待しております。そうでないと、村側は響かないんじゃないかな、と・・・。”


VUCA(変動、不確実、複雑、曖昧)という言葉に象徴されるように「正解のない時代」に突入したいま、企業も地域も閉塞的な空気を打破するイノベーションの開発に取り組んでいます。そこで求められるのが多様な人同士が真剣にぶつかり合う場かもしれません。 本プログラムは、正に地域と都会の企業人が切磋琢磨する「他流試合」なのです。

いよいよ、成果報告会へ
中間報告のコメントを受けて、各チームは提案へのラストスパートをかけました。
あるチームは独自に村の皆さんに連絡し提案へのアドバイスを頂き、あるチームはオンライン会議を重ねます。そして11月24日、いよいよ成果報告会を迎えました。
当日は朝10時に軽井沢駅に集合し、バスで嬬恋村へ。昼食をとる食堂の広間をお借りして最後の作戦会議。会場となる村役場に向かいました。
成果報告会は、各チーム10分のプレゼンテーションの後、熊川村長ほかの村役場の皆さんや立命館大学 齋藤教授、石崎教授といった審査員から以下の視点でのフィードバックを受けます。
  • 提案の裏付け(エビデンス)
  • 提案の独自性(オリジナリティ)
  • 楽しさ・面白さ(ワクワク感)
  • 実現可能性(事業としての価値・現実性)
  • プレゼンの迫力(本気度)

また、会場には本プログラムにご協力くださった村の皆さんがご来場くださったほか、オンラインでは受講生の送り出し元の企業の皆さんが多数、ご視聴くださいました。
午後2時、いよいよ報告会がスタート!4つのチームが、与えられた時間の中で様々な工夫を凝らした熱気あふれるプレゼンテーションを行いました。


審査員もそれに応えるように真剣モードでコメント。「地域の課題を深く理解いただいた」「ワクワクする提案だった」「村民以外で本気に考えてくれることに感銘した」という賞賛の声がある一方、斎藤・石崎両教授からは専門的見地に立った厳しい指摘もありました。正に真剣勝負の場。


2時間がアッという間に過ぎ、熊川村長からは「本日がスタート。参加された皆さんには、また嬬恋村にお越し頂きたい。」という言葉で、本プログラムの統括コーデネーターの斎藤先生からは「本日の提案は、日本全体の未来にとっても大きな意味のある内容ばかりだった。嬬恋村を起点として未来への大きな波をつくる希望を感じた。」という言葉で、成果報告会は締めくくられました。

そして、報告会終了後には、村から受講生一人一ひとりに「応援村民証」が授与されました。

そして、チェンジ・メイカーへの道は続く
学習成果を定着させるために欠かせないのは「内省」をするプロセスだと言われます。
本プログラムでも、提案後にリフレクションを行う2つのセッションが設けられました。
まず、「プログラムを受講して自分がどのように成長したのか(行動目標)」を内省するセッションが成果報告会翌日に、もうひとつは「プログラムを通じ“チェンジ・メイカー”となるために何を学んだのか(学習目標)」を内省するがセッションが、受講後のEQ受検結果解説と共に最終日に行われました。


プログラム後のEQ診断結果は、すべてのメンバーの心内知性、対人知性、社会知性に大きなスコア変化がありました。
特に、責任をもって物事をやり切る「コミットメント力」や、物事を異なる視点でとらえていく「ダイバーシティ・多様性」、相手の立場に立って物事を考える「対人理解力」などは大幅なスコアアップがみられました。
一方で、全体的にスコアがあまり変わらなかったのは「感情表現」、「自己主張力」で、これは異業種混合のチームメンバーや嬬恋村のみなさんとの合意形成の中で、自身の感情や主張を上手にマネジメントできたことが現れているようです。




そして、2回目のリフレクション(チェンジ・メイカーとして何を学んだのか)を経て、プログラムのクロージングは、一人ひとりから「私にとって“チェンジ・メイカー”とは」をコメント。全員が、2か月間の学びを素晴らしい表現で言語化しました。

あなたにとって、チェンジ・メイカーとは?

  • 「直面する物事を自分事として捉えて、周囲と力を合わせながら可能性を広げられる人」
  • 「困難に立ち向かうために仲間を増やすことができる魅力がある勇者」
  • 「メンバーが変化しやすい環境整備や場の流れを作る提供者」
  • 「みんなと協力し合いながらも、自分の意思を持ってきちんと目標に向かって進めていくことができる人」
  • 「多くの人を巻き込んで、大きいムーブメント作る人」
  • 「課題解決に向けて、すごい熱意を持って取り組み、1人の力だけではなくチームの力を最大限に活かして、良い案を提案できるようにする人」
  • 「社会を変革していくことを常に意識しながら仕事をしていくことができる人」
  • 「責任感と行動力を備え、周囲と協調してやりぬく人」
  • 「チームとしてスピード感を持って課題解決をやりきることができる人」
  • 「チーム全体を見据えて、より良い成果が上がるように先導できる人」
  • 「あるべきインパクトと、そこに至るまでの道筋を定めて、ちゃんと人を巻き込んで実現できる人」
  • 「広い視座でビジョンを示しながら、具体的なアクションを担い手と共に実現する存在」
  • 「周りを巻き込んで、ポジティブな変化を起こす人」
  • 「ビジョンを持ち、それを伝え、そして実行し、反省する力、このサイクルを愚直に回すことができる人」
  • 「人を引っ張っていく力を持つと共に関わる人の立場に立って物事を思考し、問題解決に向けて、投げ出さずに立ち向かっていける人」
  • 「今の組織や立場の中で何をしなければいけないのか考え、それを自分で考えるだけではなくて、周りの人たちにもしっかり伝えることができる人」



これで研修はいったん修了。
しかし、このプログラムの特徴のひとつは、”研修で終わらないこと”です。受講生の皆さんに回答頂いた「関係人口アンケート」に基づき、それぞれの希望に沿った形で嬬恋村の活性化に関わって頂くため、事務局は引き続きサポートを行っていきます。

“チェンジ・メイカー”への旅は続く。

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