心が通う職場づくり
本当の働きがいを生み出すもの

変わりゆく職場、失われる情熱

かつて、仕事に誇りを持ち、仲間と共に働く喜びを感じることは当たり前のことでした。しかし最近、多くの人が仕事の意味を見失っているように感じませんか?効率優先の風潮の中で、「ただ言われたことをこなす」社員が増え、多くの企業が効率化を追求するあまり、従業員のモチベーションやエンゲージメントが低下してしまっているのが現状です。

エンゲージメントとは何でしょうか。それは、ただ頑張って働くということではなく、「この会社で働きたい」「自分から貢献したい」と思う気持ちのことです。こういう気持ちを持った社員は、仕事に熱意を持ち、周りの人と一緒になって成果を生み出すこともできます。結果として会社全体が活性化するのです。

しかし今の職場環境を見ると、数字だけの評価、増え続ける業務量、「失敗したらどうしよう」という不安があります。こんな環境では、社員は受け身になり、働く喜びを感じられなくなっていきます。

このような状況を変えるカギとして、今、「感情知能(EQ)」が注目を集めています。EQとは、自己と他者の感情を理解し、適切にコントロールする力のことです。ビジネスシーンでもプライベートでも、人間関係を豊かにし、ストレスと上手に付き合うために欠かせないスキルとして、多くの企業が研修や育成に取り入れ始めているのです。自分と相手の気持ちをきちんと理解して対応できれば、職場の人間関係が改善され、エンゲージメントが向上する可能性があります。

心の通い合いが生み出すエンゲージメントの本質

EQが高い人は、自分の感情を理解して上手にコントロールできるため、プレッシャーがかかる場面でも冷静に対応できます。また、「あの人は今どんな気持ちだろう」と相手の立場に立てるので、信頼関係も築きやすくなります。これらの要素は、エンゲージメントを高めるうえで欠かせません。

例えば、職場でのフィードバックを考えてみましょう。仕事の評価を伝えるとき、EQが高いリーダーなら、「ここがすごく良かった。ここはもう少し工夫できるかもしれない」というように、バランスよく伝えることができます。社員は「認められている」と感じ、前向きに改善点に取り組めるでしょう。反対に、EQが低いリーダーだと、「これではダメだ」とか「もっとできるはずだ」というように感情的で否定的な言葉を投げかけたり、冷淡な態度をとったりすることで、相手のモチベーションを低下させてしまうこともあるでしょう。

チームワークも同じです。メンバー同士が「あなたの気持ち、分かるよ」と共感し合える関係なら、安心して意見を言い合える雰囲気が生まれます。「こんなアイデアはどうだろう?」と気軽に発言できる職場では、イノベーションが生まれやすくなります。反対に、意見を言うと否定されたり、冷たい態度を取られたりする職場では、従業員は消極的になり、エンゲージメントも低下してしまうでしょう。

つまり、EQは個人のスキルというだけでなく、組織全体の文化にも影響を与えます。EQを活かしたコミュニケーションが浸透すれば、社員一人ひとりが「自分は大切にされている」と感じ、組織への愛着も湧いてくるのです。

EQを活かした未来の職場づくり

では、具体的にどのようにEQを活かした職場づくりを進めていけばよいのでしょうか。

まずは、リーダーから変わってみませんか。定期的な1on1ミーティングを行うとき、単に「進捗はどう?」と聞くだけでなく、「今の仕事にやりがいを感じている?」「何か困っていることはある?」といった質問をしてみてください。相手の気持ちに関心を持つことで、本音の対話が生まれます。

共感を育む組織の仕組み

会社全体でできることもあります。例えば、「相手を傷つけずに本音を伝える」フィードバックの研修を実施してみるのはどうでしょう。また、ストレス対処法やマインドフルネスのセッションを取り入れれば、自分の感情と上手に付き合えるようになります。

評価の仕組みも見直してみましょう。「数字だけ」の評価ではなく、「困っている同僚をサポートした」「チームの雰囲気を良くした」といった行動も評価されるべきではないでしょうか。そうすれば、お互いを思いやる行動が自然と増えていきます。

誰もが輝ける、感情を大切にする職場へ

EQを大切にする職場では、みんなが互いを理解し、支え合う文化が生まれます。そんな職場で働けば、「今日も頑張ろう」という気持ちが自然と湧いてくるはずです。感情を大切にすること。それが、これからの理想の職場づくりの核心なのかもしれませんね。

EQを大切にする個人が増え、気持ちを理解し合う関係が職場に広がれば、短期的な成果だけでなく、長く続く組織の活力が生まれます。みんなが自分の気持ちと向き合いながら、互いを理解し、助け合い、一緒に成長していく――そんな文化が根付くのです。

変化の激しい今の時代、組織の強さを高め、人々が生き生きと働ける場所を作るために、EQへの投資は最も価値あるものの一つだと思いませんか。一人ひとりが少しずつ変わることが、明日の働き方を変える大きな一歩になるのです。

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