EQ COLLEGEコラム32
憲法 × 感情
「憲法」という言葉を聞いて、
これほど感情を揺さぶられることがあっただろうか。
おそらくそれは、私だけではないはずだ。
アメリカ/イスラエルのイラン攻撃に伴うホルムズ海峡封鎖によって、久しく語られて来た「憲法改正」とはどういうことなのか、にわかに現実味を増して来た。
私自身はかつて法学部に在籍していたが、それはもう40年以上前の話。
第二次世界大戦の終戦から大学で学ぶまでの時間より、それから現在までの時間の方が長くなってしまった。
「戦後は遠くなりにけり」の感を強くしている。
現在の憲法とは何か。
そこには戦争を二度と起こしてはいけない、という先人の強い感情があった。
いま、改めてそうしたものへの想像力を働かせる必要がありそうだ。
では、そもそも「憲法」とは何なのだろう。
日本弁護士連合会(日弁連)のウェブサイトでは「国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について国民が定めた決まり(最高法規)」と定めている。
つまり国の枠組み(国のかたち)を定める最高法規ということになる。

憲法の発祥は、1215年にイギリスで制定された「マグナ・カルタ」だとされる。
また、1789年にフランスで制定された「人間と市民の権利の宣言」では人権と国民主権が宣言され、アメリカ独立戦争以降、国民が憲法で国家権力を制限するものと捉えられて来た。
このように理屈ではわかっても法律の条文は難しい。
「諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」(憲法前文より)と言われても何やらわかったようでわからないモヤモヤとして気分になる。
おそらく、同じような想いを持ったであろう作家の井上ひさしさんが書いた「子どもに伝える日本国憲法」という素晴らしい本がある。挿絵はいわさきちひろさん作。
子どもに(大人にも)わかるように憲法の条文を井上ひさしさん風に解き明かしている。
ちなみに、上記の言葉は以下のようになる。
「私たちが同じ願いをもつ世界のほかの国国の人たちと
心をつくして話し合い、そして力を合わせるなら、
かならず戦(いくさ)はいらなくなる。
私たちはそのようにかたく覚悟を決めたのだ」
いかがだろうか?
あなたの感情も、少しは動いたのではないだろうか?
自分たちの感情に向き合って、
この国のかたちを、一人ひとりが真剣に考える時が来ているようだ。

