EQ COLLEGEコラム37
梅雨明け × 感情
去る7月20日、気象庁が関東甲信越と東海地方の梅雨明けを発表した。関東甲信越は平年より1日遅く昨年より22日遅い、というデータが出ている。昨年の梅雨明けがそんなに早かったのは、いささか意外だ。
私たちの感情は、その時々の季節が醸(かも)し出す気温、湿度、光といった要因から大きな影響を受けている。梅雨の時期は、雨がシトシト降り空も暗い中、外出へのモチベーションも湧かない。だが、悪いことだけではない。心の矢を内に向ける「内省」に適した環境とも言える。
一方、梅雨が明けて本格的な夏が到来すると、外に青空が広がり行動への意欲も湧いてくる。梅雨明けは、内向モードから外向モードへと切り替わる心身のスイッチの機能があるのだ。
天気や季節の変わり目の受け取り方も、人によって異なる。梅雨明けも「さあ、外に出るぞ」と感じる人もいえば「暑さで疲れやすくなる」と感じる人もいる。自分の心の天気予報を確認するように、天候の変化に伴う自分の感情の変化にも敏感になってみても良いかもしれない。

日本には、天気を挨拶がわりにする習慣がある。何の気なしに「良い天気ですね」や「今日は雨で嫌ですね」と言っているが、時には天気を相手がどのように感じているのかを察知することで他者の感情への想像力を持ってみることを試してはどうだろうか。
かつてシンガポールに住んでいた時、「日本には四季があって良いね。でも東南アジアにも三つの季節があるよ」と言われ、その三つは何?と聞いたら「Hot, Hotter, Hottest」という笑い噺をされたとがある。でも、心の中では「いやいや、日本には二十四の季節(二十四節気)があるんだよ」と言っていた。
二十四までは感じることはなくても、かつては四つの季節の間の“のりしろ”のような季節までは感じることができた。そして、それが日本人の感性を育んでいるのだと思っていた。
だが、様相はこの十年ほどで劇的に変わってしまった。いまはその“のりしろ”が無くなり、いきなり暑くなったり寒くなったりする。嬉しかった梅雨明けも、「いよいよ生命に危険のある暑さがやってくるのか」と体をこわばらせる自分がいる。
繊細な日本人の感情は、地球の温暖化に伴ってどのようになっていくのだろうか?
ともあれ、皆さん、くれぐれも暑さにお気をつけください。

